4月6日(土)から6月23日(日)までパナソニック汐留美術館で開催中のギュスターヴ・モロー展に行ってきました。
ギュスターヴ・モロー展はモローの母、恋人のアレクサンドリーヌを取り上げた「モローが愛した女たち」、サロメをメインとする「《出現》とサロメ」、そしてさまざまな神話や聖書からインスピレーションを得た「宿命の女たち」、一角獣をメインとする「《一角獣》と純潔の乙女」と4つのテーマで構成されています。
一角獣と出現
今回のメインビジュアルにもなっている<一角獣>とモローの数あるサロメをモチーフとした作品の中でも<出現>が今回の展覧会の目玉といっても良いと思います。
一角獣はクリュニー中世美術館収蔵の1500年頃に作られた6連作<貴婦人と一角獣>のタペストリーから、モローが発想を得て製作した作品。

そして、出現をはじめとする多くのサロメをモチーフにした作品。モローに多く描かれたサロメですが、出現だけでもルーブル美術館に所蔵されている水彩、今回来日した油彩の出現などいろいろバージョンがあり、その違いも興味深いです。
宿命の女たち
サロメ、ヘレネ、デリラ、メッサリーナ、オンファレ、メディア、セイレーン、スフィンクス(!)、エウロペ、レダ、セメレ、デイアネイラ、バテシバ、ガラテイア、クレオパトラ、サッフォー、エヴァとモローは多くの女性を描きました。
そして、その女性像は顔かたちがはっきりとしたものから輪郭のみのもの、そして、体型もひと通りではありません。
モローの世界の女性像はただ単に光り輝く女神だけではなく、その絵によって個性が感じられるような表情や体型、シチュエーションや背景があります。また、お気に入りの絵の出典を調べてみるのも面白いと思います。
図録も盛りだくさんでした
図録もとっても装丁が素敵なだけでなく、内容が盛りだくさんです。

表紙は「出現」で、線描で描かれた細かい装飾部分は浮き出し加工です。出現の雰囲気が表紙からも味わえます。袖部分はサロメとヨハネのアップという凝りよう。
そして、内容もモローの生涯や母、恋人のアレクサンドリーヌとの関係について、作品について、モローの作品に出てくる神話や聖書の女性たちについての解説など、読み応えたっぷりでした。

モロー美術館の螺旋階段の写真の前で記念撮影もできますよ!
Information
■□■ ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち ■□■
開館期間 2019年4月6日(土)~6月23日(日)
開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
※5月10日(金)と6月7日(金)は午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日 水曜日(但し5月1日、6月5日、12日、19日は開館)
入館料 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円
中・高校生:500円 小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能
※5月18日(土)国際博物館の日はすべての方が入館無料です。
主 催 パナソニック汐留美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社
後 援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
協 賛 光村印刷
協 力 日本航空
特別協力 ギュスターヴ・モロー美術館
公式サイト https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/