照明光の分光分布的な質を表す演色評価数に新しいものが出てくるようでして、その解説を聴きに出かけてきました。
主催は照明学会東京支部です。
現在一般的に用いられている演色評価数Raは1965年に原型が決められ、その後1974年に評価対象の色数が増えて、現在に至っているそうです。
白色LEDが普及し始め、その分光分布がこれまでの光源と比べると大きく異なるため、Raと感覚的なズレが目立つ場面もあり、いくつか新しい演色評価法が検討されているようです。
今回解説のあったTC1-90はこれまでのRaの計算方法で原理的に神経質な値が出やすい部分を改善する事と、リファレンス光とテスト光との間でものを見たときの色のズレ量ばかりではなく、色度座標上でのズレ方向も示す事になったのが新しいところ、のようです。この辺りの理解が間違っているようでしたら、お知らせ頂けたましたら幸いです。
新しい演色評価数(Rf)が出てきたからと言って、これまでのRaが無意味になることではありません。実際のところ、RaとRfは強い正の相関を持っているようでして、Raが良ければやっぱり質の良い光であると言えるものと思います。
正式な技術レポートの発行は今年中らしいので、数年もすれば測色計にこの新しい演色評価数も出てくるようになるものと思われます。
それまでは、過度に新しい数値に囚われる事無く、照明器具屋としては、自分の眼を信じて良い光源を選択して行きたいと思います。
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